40歳の寄り道

某月某日。

7/5 余裕のある夜

夜、夫が犬の散歩に行こうとするので、私もついていこうとしたが

「君は家のことをやっていてください。やるべきことを分担しましょう」

と、止められた。

いつも犬の散歩から帰ると、皿洗いやら、アイロンがけやら、生協の注文やら、あれやらなきゃーこれやらなきゃー眠いーで、私がバタバタしてしまうのを夫は見ている。夫も犬の散歩後、文句を言わずに家事をやってくれるのだけど、私はどうしてもバタバタしてしまう。仕方なく家で、クイズ番組を見ながら皿洗いをする。余裕のある夜だったが、私も犬の散歩についていきたかった。夜の散歩はとても楽しい。夫と今日の出来事とか、テレビの感想とかいろいろ話しながら歩くのが楽しい。いつも見慣れた風景だけど、夜は全然違う表情を見せてくれることが楽しい。涼しく、人も車も少なく静かで、嬉しそうに舌を出して尻尾を振りながら歩く犬を見るのも楽しい。私も犬みたいに尻尾があったなら振っているだろう。

NHK星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』「生活維持省」を見る。とても面白かったので見終わったあと、NHKプラスで「ボッコちゃん」を見る。見ている最中、風呂から上がったばかりのパジャマ姿の夫がやってきて、「これはどういう内容か」と聞いてきた。

水原希子が演じているボッコちゃんは、バーのマスターが作ったロボットでね…」

「この青年は、ボッコちゃんに一目惚れしてね…」

星新一ショートショートは子供の頃から何度も読んだ。でも、うまく説明ができない。

「最後、何が起こったの」

と、夫に問われ説明をした。一生懸命、説明をしたが全く伝わらない。物語のあらすじを伝えることの難しさを実感する。自分の言葉で上手に伝える力を身につけたい。本棚から『ボッコちゃん』を取り出し、私の言っていることを理解できなかった夫に渡す。

「ドラマと原作、少し違うけどこれを読んで理解してください、5分くらいで読めるから」

夏休みは息子にも星新一を読んでもらおうと、Amazonで児童向けの『気まぐれロボット』(角川つばさ文庫)を注文した。読書嫌いの息子が読んでくれるか不安だが、「まずは一日一話読んでごらん」と言って息子に渡そうと思う。