40歳の寄り道

某月某日。

7/3 生菓子は嫌い

「そういえば、お母さんの誕生日だったのに、ケーキを食べなかったじゃないか」

思い出したように息子が言い、夫が近所のケーキ屋さんにケーキを買いに行った。私、生菓子は嫌いなのに。昨日の外食は息子が食べたいものを決めた。私の誕生日は、息子の要求が満たされるまで続くらしい。誰からも「おめでとう」と言われない誕生日だ。

息子と夫はシオーソドックスなショートケーキ、私はトマトゼリー。本当は餡蜜が良かったけど売り切れだった。『鉄腕DASH』を見ながら、もくもくと食べた。私だけが「おいしい、おいしい」と言っていた。犬が目をうるうるさせながら、ヒーンと鳴きこちらを見てきた。君も何か食べたいのかい?特別に犬用のチーズをあげた。

20時、夫と一緒に犬の散歩。夫がリードとお散歩バッグ、懐中電灯を持つ。

「懐中電灯くらい持つよ」

「君はいつも変なところを照らすから自分で持つよ」

「じゃあ、バッグを持つよ」

「自分で持っていた方が、おしっことかうんちとか処理しやすいからいいよ」

私は手ぶらで夫と犬の前を行き、川沿いの道を蛍を探しながら歩いた。暗く静かなこの川には、蛍がいるような気がしたが、見つからなかった。蛍が暮らすには少し水の流れが早すぎるのかもしれない。でも、きっとこれから毎年この季節には、蛍を探しながら犬の散歩をするのだろうな。いつか見つかるだろうか。

帰宅すると息子がYouTubeを見ていた。「宿題は終わったのか」と夫が尋ねると、ランドセルから国語のノートを取り出して慌てて始めた。