40歳の寄り道

某月某日。

夏の食事

梅干し作りで残った赤紫蘇をくつくつと煮込み、紫蘇ジュースを作った。青紫色だった液体に、さっと酢を回し入れると赤色になる瞬間が、いつ見ても面白い。まだ温かい紫蘇ジュースを、氷の入ったコップに注ぎ味見してみる。さっぱり。とても美味しい。昔、よく祖母が作ってくれたのと同じ味だ。

夫にも飲ませてみた。

「個性的な味だね」

夫は、眉間に皺を寄せてそう言った。息子もあまり好きではないみたい。たくさん作ったけれど、また一人で消費することになりそうだ。健康にいいんだぞ、紫蘇ジュース。

夕食に素麺を食べる。とても美味しい。素麺をずるずる啜りながら、最近プライムビデオで見た『万引き家族』のとあるシーンをふと思い出してしまう。安藤サクラとリリー・フランキーが素麺を食べている最中に行為に及ぶシーンがとても生々しくて印象に残っている。二人が食べている素麺は美味しそうだし、まだ裸でいるうちに、夕立に濡れた子どもたちが帰ってくるところとかも、とても好きなシーンなんだけど、素麺を啜るたびにこのシーンを思い出してしまいそうで、恥ずかしくてちょっと嫌だなと思う。見ているテレビに集中してみたり、夫と子供とたわいもない会話をしたりして気を紛らわす。

そういえば、スーパーに買い物に行ったら、ココナッツポッキーが売っていたのでカゴに入れた。ダイエット中でもココナッツポッキーだけは我慢したくない。「好きな季節は?」と聞かれたら、私は絶対に「夏」と答える。だって、梅仕事が楽しいし、素麺は美味しいし、ココナッツポッキーが食べられるのは夏だけなんだもん。