40歳の寄り道

某月某日。

養命酒のカップがちょうどいい

午前の犬の散歩で、柴犬ちゃんに会った。少し恥ずかしがり屋なうちの犬が、お尻を嗅ぎ合ったり、戯れたりすることができる数少ないお友達のうちのひとりだ。柴犬ちゃんは、うちの犬を見つけると、飼い主さんをリードでぐるぐる巻きにするくらい嬉しそうに走り回っていて、とても元気があってよろしい。私は、柴犬ちゃんの飼い主さんと、「寒いですね」とか「最近、毛がたくさん抜けるんですよ」とか、そんな話をしていた。柴犬ちゃんと別れたあと、うちの犬は柴犬ちゃんの背中をずっと見つめていた。姿が見えなくなった頃、諦めたかのように、ようやく歩き出した。

夫、在宅勤務の日。昼食はおでんにする。市販のおでんセットに、ソーセージと餅巾着、キャベツ天を加えてぐつぐつ煮込んだ。餅巾着は3個入りだったので、私のお椀にこっそり2つ入れた。11時半、いつもより早い昼食を二人でとる。ご飯も炊いたが、二人ともおでんだけでお腹いっぱいになってしまった。

夕方、夫の仕事が終わり、二人で犬の散歩に行く。夫と一緒だと、いつもよりも犬のテンションが高い。だんだんと日が伸びてきているのを感じて嬉しい。その頃、息子は家で、ゲーミングPCを弄っていた。Nintendo Switchでもマイクラをやっているし、ゲーミングPCでもマイクラをやっている。

夜、私が皿洗いをしている横で、夫が養命酒カップにブランデーを注いで飲んでいた。我が家には、色々なグラスがあるが、養命酒カップがブランデーをちびちび飲むのにちょうどいいらしい。

「うっわ、甘ったるっ」

どうしたのかと思い、夫を見ると養命酒カップの中に、ブランデーよりも濃い色の液体が入っていた。養命酒だ。養命酒カップ養命酒が入っているなんて私から見れば、あたり前でなんの違和感もない光景だが、夫の中ではブランデーのほろ苦い味を想像していたら、養命酒だったという。夫はちょっと飲んだ養命酒を、皿洗いしている私の口元にいきなり持ってきて飲ませた。突然だったので、笑って吹き出しそうになった。