40歳の寄り道

某月某日。

中学校の入学式

ストッキングは苦手だが、入学式のためにと購入した福助のストッキングは履き心地がとても良かった。

暴風雨の中、息子の中学校の入学式。1学年7クラス分の、同じ制服を着た生徒たちの中から、同じ小学校の仲良しの友達を見つけ、その輪の中にスッと入っていった息子。成長を感じた。

入学式は、よくわからないまま始まり、よくわからないまま終わった。担任の先生もどんな人なのかわからなかった。新入生入場の時にちらりと見えただけ。

同じクラスに、息子が幼稚園のときいつも一緒に遊んでいた子がいて、あまりの懐かしさにいろいろな思い出が蘇ってきて少し興奮した。まだ私のiPhoneのカメラロールに二人で遊んでいる写真が何枚か残っている。もう会わないかと思った。

「この子、幼稚園のときのお友達なんだけど覚えている?」

と尋ねたら

「よく覚えていないけど、名前だけは覚えている」

と返事が来た。少し寂しいけど、そんなものか。息子はだいぶ落ち着いたし、久しぶりに見たその子も落ち着いているようだった。中学校でも仲良くしてくれるかな。

親同士はお互いの顔をよく覚えていて、「わあ、久しぶりー」と、声をかけてくれる人が何人かいた。幼稚園の頃は、クラスの保護者LINEがあり、飲み会や親睦行事に私も何度か参加した。それでも、そんなに頻繁に顔を合わせていたわけではないのに、覚えているのが不思議だと思う。

息子の通う中学校は、悪い評判を全く聞かないので少し羨ましい。運動部だけでなく、文化部もたくさんあるし帰宅部という選択肢もある。

おめでたい時に申し訳ないが、最後に少し暗い話をここに吐き出させてほしい。

私は、自分の通っていた中学校が大嫌いだった。数年前に廃校になったけれど、当時はとても荒れていたし、小さい学校だったので逃げ場がなかった。何よりも嫌だったのは部活で、バスケ部、バレー部、テニス部、卓球部のどれかに必ず入らなければいけなかった。どの部活にも入りたくなかった私は、しぶしぶ卓球部に入ったのだが、上下関係は色々あるし、ちょっと家の用事があって休めば、顧問や上級生からネチネチ文句を言われるし、本当に嫌だった。

あと、校則にはない謎ルールがたくさん存在していた。上級生には必ず挨拶しなければいけない、バスは来た人順でなく3年生の男子から乗る、1、2年生の女子の髪型はおさげかショートカットのみとか、1、2年生だけでハンバーガー屋に行ってはいけないとか…。実際にそのルールを破ると、どうなるのかはわからない。こういうルールをなくしていかなければいけないのに、上級生や保護者が考えなしにどんどんと周りに伝え、それを下級生が鵜呑みにしてしまうから収拾がつかなくなる。

そんな学校に3年間、休まず通っていた。「あなたは勉強も運動もダメだけど、体だけは丈夫なんだから皆勤賞を取りなさい」と親にうるさく言われ、生理痛でも、いじめられても休ませてもらえなかった。今でもずるずる引きずっているし、なんも良いことはなかった。

息子には、辛くなったとき無理せず休ませてあげられる、理不尽なことがあれば学校に抗議だってする、そんな当たり前のことをしてあげられる親になりたい。