40歳の寄り道

某月某日。

本当に降ってきた

「今日は午後から雪が降るでしょう」

と、テレビの気象予報士が言っていた。

雪が降る前にと、私と夫と息子と犬で散歩に出かけた。本当に雪が降るのか疑わしいくらいの青空。帰宅後、夫は子どもの自転車の練習に付き合う。私は昼食の支度など。子どもの自転車の練習は夫に任せきりで、少し申し訳なく思う。

午後、スーパーで買い物。今にも雪が降り出しそうな空。寒い。さっきまでの青空は一体、どこに行ってしまったのだろう。雪の日は、なんとなくカレーが食べたくなる。スキーはやったことがないけれど、スキー場で食べるカレーとかきっと最高だと思う。カレールーのパッケージに書いてある通りのカレーで良い。そう思いカレーの材料を買い物かごに入れた。今夜は夫と一緒にビールでも飲もうかと、ビール6缶パックとおつまみも買い物かごに入れた。買い物を終え、スーパーから出る。まだ雪は降っていなかった。

頭が痛い。雪が降る時に感じる痛みだなとわかる。鎮痛剤を飲んで少しだけ眠ることにする。夫も自転車の練習に付き合い疲れたのか、ソファの上で横になっている。

目が覚めて、窓の外を見る。

「雪だ!!!」

滅多に雪の降らない暖かい地域で育ってきた私は、雪を見るとついテンションが上がってしまい、思わず、夫を起こしてしまった。

「本当に降ってきたか」

そう言って、夫は再び寝た。

やがて、2階から息子が降りてきてこう言った。

「本当に降ってきた」

雪だるまが作れるほど積もってはいないが、外では、近所の子が「雪だ、雪だ」とはしゃぐのが聞こえてくる。私は、骨伝導イヤホンを耳にかけ、槇原敬之を聴きながらカレーを作る。いつからかわからないけど、息子が中辛カレーを食べられるようになった。今日の中辛カレーは、ちょっと辛めの中辛だった。