40歳の寄り道

某月某日。

スパゲッティならなんとか作れそう

めちゃくちゃ疲れている時でも、自炊はしたい私。料理は、自分を見つめ、自分を取り戻すための一つの手段なのである。カレーとか丼とか鍋とかなら、一品作るだけで夕食として成立する。

しかし今日は、米を研ぐ気力さえもなかった。スパゲッティならなんとか作れそうだ。冷蔵庫にある適当な野菜と肉をトマトで煮込んでも良いし、ペペロンチーノにしても良い。鶏もも肉が解凍してあるのでこれを使おう。カットトマト缶も見つけた。家にある野菜では、キャベツとじゃがいもが合いそう。

私の作るスパゲッティは、いつもテキトーだ。昔はレシピを見ていたが、今はなんとなく、こういう味付けだろうなだということがわかってきた。フライパンで、みじんぎりにしたにんにくをオリーブオイルで炒め、鶏もも肉を投入。肉に火が通ったら、キャベツとじゃがいもを炒めて、カットトマトを入れる。コンソメと塩胡椒を目分量で味付けをして蓋をして煮る。その間にスパゲッティを茹でる。茹で上がったら、スパゲッティをフライパンに入れて絡める。味をととのえて完成。

今日の午後の散歩は、本当にしんどかった。近所の中学校の中間テストの日だったらしく、下校の自転車が多すぎた。運が悪かった。狭い道を歩く私と犬を、後ろから前から、自転車がすごいスピードで追い越していく。周りの匂いが気になってしかたがなくて、あっちに行ったり、こっちに行ったりしたがる犬のリードを、短く強く握り、後ろを気にし前を気にし、事故が起きないように、とにかく神経を尖らせなんとか帰宅。

ああ、本当に怖かった。疲れた。ソファにばたんと横になる。動悸が止まらず、動けない。救心を飲む。犬の散歩くらいで情けないなあ。

そんな一日を思い返しながら、作ったスパゲッティ。映えないけど美味しかった。