40歳の寄り道

某月某日。

帰省2日目、何度この海に誓ったのだろう

2023年9月17日(日)

帰省2日目。子供の頃によく食べていた、きゅうりサンドで始まった朝。

帰省してから「退屈」とずっと言っていた、息子はメダカの餌やり係に任命され、16個の水槽にちまちまと餌をやっていた。その後、息子はヨークシャーテリアにごはんを与えた。老犬ヨーキーは足をがくがくさせながら立ち上がり、美味しそうにごはんを食べていた。

息子はやっぱり退屈そうで、海まで散歩に連れて行くことにした。

午前9時、9月とは思えない暑い日差しの中、息子とふたり、とぼとぼと懐かしい景色を見ながら歩いていた。昔、よく行った駄菓子屋さんもスーパーも、今はもう空っぽの箱になっていて寂しい。海までの道中、同級生とか、噂好きなおばさんに出会してしまったらやだなと思っていた。学校でいじめられたことも鮮明に思い出した。親に助けを求めても、世間体ばかり気にして誰も何もしてくれなかった。それよりもなによりも腹立たしいのは、18才の時に、大きな夢を持って上京したのに、何も変われず、何も得られなかった自分自身で、帰省するたびにどこか後ろめたいような気持ちを抱いていた。

しかし、海にたどり着くと、そんなネガティブな感情もどこかに吹き飛んでしまった。

「海だ!」

砂浜を駆け回る息子を、歩いて追いかける。

息子が「なんだこれ」と、蟹の巣穴を見つけ、観察していたら小さな蟹がちょこちょこと出てきた。で、別の穴へと潜っていった。

海水を触ってみたり、押し寄せる波から逃げたり。

海岸をしばらく歩いていたが、暑さにやられそうで家に戻ることにした。来年は水着を持って海へいこう。自分の人生、もっと自信を持って生きよう。って、何度この海に誓ったのだろうね、ふふふ。

帰宅後、父親の運転する車に乗りドライブをすることに。いつも見ない感じのテレビ番組が、車の中で大きなボリュームで流れていた。両親が仲良くゲラゲラ笑っていて、うるさかった。子供の頃は車酔いなんてしたことがなかったのに、父親の運転する車は、大きく左右に揺れるのが気になって、少し気持ちが悪かった。