40歳の寄り道

某月某日。

秋の寂しさ

寝坊した。

「やばい、息子の朝ごはんを作らなきゃ」

と、飛び起きた私の横で、夫が気持ちよさそうに寝ていた。今日、うちの夫はテレワークなのである。

ささっとハムエッグを作り、トマトを切って皿に乗せる。ヨーグルトを出し、トースターで食パンを焼き簡単な朝食のできあがり。これだけで10分かかるか、かからないかくらい。

息子を起こし、朝食を食べさせる。

やがて息子は登校し、夫は仕事を始め、忙しい時間が終わる。

午前8時、犬の散歩。この時間に散歩するのは久しぶり。明るい時間の散歩は良い。昨日の雨の匂いの残る道を、犬と一緒にのんびりと歩いた。最初は涼しかったが、だんだんと日差しが強くなってきて、犬が抱っこをせがみ、仕方なく抱っこしてあげる。8キロのダックスフントはとても重い。日陰の道で犬を下ろし、再びのんびりと歩き始める。空が高く感じる。徐々に秋の空気が近づいてきているみたいで、なんだか寂しい。孤独を連れ回して歩いているみたいな感覚。家庭のこととか、PTAのこととか、専業主婦でい続ける自分の自己肯定感の低さとか、いろいろな感情が入り乱れて、少し疲れてしまった。家に着いて犬を抱きしめた。重たくてやさしくて愛おしい孤独。

テレワークの夫の昼食に、『オレンジページ9/17号』に掲載されていた、「干しエビのおかゆおかか添え」を作った。やさしい味で美味しかった。