40歳の寄り道

某月某日。

魅力的なスライサー

暑くてどこにも行きたくない。お金も使いたくない。冷蔵庫の中の中途半端に残ってしまった肉や野菜と睨めっこをし、どうしたら生協の宅配の日まで、買い物に行かずに食事を作れるかということを考える。

トマトと牛肉はオイスターソース等で炒めて卵とじに。残り少なくなったレタスはコンソメスープに。あと、粉吹き芋と、ピーマンを使ってきんぴらでも作ろうか。

卵がいっぱいあるから、翌日はオムレツにしよう。中途半端に残った野菜を刻んで具にして。

結婚してから10年間、ほぼ毎日、料理を作っているからか、『オレンジページ』を定期購読しているからか、次々とアイデアが湧き出てくる。しんどい日は丼物にするとか、具沢山の鍋にするとか、手の抜き方も少しずつわかってきた。コンプレックスだらけの私が長年、抱いてきた食への欲求や、健康へのこだわり、これだけは誇っても良いのかもしれない。

テレビをつけたら、ジャパネットでおろし器の紹介をしていた。

力をかけずに、すりおろすことができますよ。大根も生姜も長芋もチーズもこの通り。水切りトレーも付いています。

わあ、なんて魅力的なのだろう。それだけでなく、それについてくるスライサーもとても魅力的だった。キャベツの千切りがあっという間にできて、ごぼうのささがきも簡単にできる。

我が家にも安いスライサーがあるが、硬いものは力を入れないとうまくスライスできないし、土台ごとずるりと滑ってしまう。人参もごぼうも、包丁を使った方が早いくらい。安全ホルダーもうまく野菜に刺さらない。そんなスライサーの存在を思い出し、人参のかきあげを作ろうと千切りにしてみるが、やっぱりうまく使いこなせない。

ジャパネットのおろし器についているスライサーなら、ニンジンのかき揚げも、キャロットラペも、きんぴらごぼうも簡単に作ることができるかもしれないと、買おうかどうか悩む。料理しながら、何度もジャパネットのホームページを見ていた。

悩む。めちゃくちゃ悩む。

うーん、もう一度テレビでこのおろし器が紹介されたら買おう。