40歳の寄り道

某月某日。

さくらさう

2月某日。

いぬふぐりが咲いている。てんとう虫も見つけた。「春を見つけよう」なんて小学生の頃の理科の授業でやった気がするけれど、今でも春を見つけると嬉しくなってしまう。

コートがいらないくらい暖かい。犬の散歩でちゃちゃ丸と交流してくれた人にも「こんにちは、今日は暖かいですね」と声をかける。ちゃちゃ丸も自分に興味を持ってくれた犬のお尻のにおいを嬉しそうに嗅ぐ。そんな姿も春なのだ。

川上弘美さんの俳句に

徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう

『機嫌のいい犬』川上弘美集英社

というのがある。この俳句、ずっと柴犬とかゴールデンレトリバーとかそんな犬が、尾を振り舌を出し草むらを歩いている姿を思い浮かべていた。これらの犬種は、何となくひらがなの「さくらさう」が似合う気がしていた。ダックスフントを飼い始めてからは、ダックスフントもありだなと思う。「さくらさう」は晩春の季語だが、うちの犬の嬉しそうに歩く後ろ姿を見るたびにこの俳句を思い出すのだ。