40歳の寄り道

某月某日。

お父さんが言うなら間違いないな

「4/5と0.84はどちらが大きいですか?」

という問題が算数の問題集に載っていた。「4/5は4÷5だから0.8だ」とスラスラと問題を解いてみせる息子。

「だから0.8と0.84だと0.8の方が大きい!」

えええ、なぜそうなる!?図を書いてあーだこーだと説明しても、100をかけると80と84になるでしょと説明しても

「いや、0.8の方が大きいって学校で習った」

などと言う。あまりに自信たっぷりにいうので、私が間違っているような気がしてきて、38年間、間違えて覚えてきたのではないかと不安になってきた。仕事中の夫にLINEをして聞いてみる。答えの本を見れば、0.8と0.84、どっちが大きいかなんてすぐにわかるはずだが、夫と同じ回答だという安心感が欲しかった。

「お仕事中すみません。0.8と0.84、どっちが大きいですか」

するとすぐに既読がつき

「0.84」

と、いう答えが返ってきた。こんな簡単なことをわざわざLINEで聞くなんて、馬鹿な妻だと思われたかもしれないと申し訳ない気持ちになったが、私は間違っていなかったのだと少し安心した。

「お父さんが言うなら間違いないな」

と、息子。息子よりも計算が遅い私が算数を教えても素直に聞いてはくれないが、理系の夫が教えるとすぐに納得するのだ。少し悔しい。

コンビニでヤクルト1000を1本買ってきて、寝る前に飲もうとこっそり冷蔵庫に入れておいたが、息子に見つかってしまった。

「俺、学校のストレスで辛いんだよ」

と、早速狙っている。その後、夫もヤクルト1000を見つけ

「あ、これ会社でも話題になってるやつだ」

と飲みたがっている。これ1本150円もするんだぞ。結局、この日は誰も飲まずに寝た。みんな飲みたがっているくせに、「なんであなたが飲むの」などと思われるのが嫌なのだ。今度、スーパーで6本入りのパックを見つけたら買っておこう。