41歳、黄桃記念日

某月某日。

オタク気質とコスチュームジュエリー

私には、ほんのちょっとだけオタク気質がある。

「オタク気質があるんじゃなくて、オタクなんだよ」

と夫は言うが、私は、好きなゲームや漫画も、ハロプロもちょっと齧っているくらいで、中途半端だ。ファンクラブにも入っている槇原敬之さんのことだって、他のファンの方々に比べたら私は全然知らない方だと思う。ちょっとだけオタク気質…というより、全てにおいてにわかなのだ。

先日、夫と一緒に宇都宮美術館で開催されている企画展『コスチュームジュエリー』を見てきた。コスチュームジュエリーとは、貴金属や宝石を使わず、フェイクパールや合金などを使ったデザイン性に富んだジュエリーのこと。シャネルや、クリスチャンディオール、スキャッパレリなど様々な作品を鑑賞してきた。

カラフルなもの、キラキラしたものが好きな私は見ているだけで幸せだった。常識にとらわれないような様々なモチーフのデザインも楽しかった。…が、ゲーム好きな私はだんだんと、変なことを考えるようになる。これ、RPGのキャラに装備させると、水属性の魔法の威力がアップするやつだ…。このアクセサリーはリジェネ効果(自分のターンでHPを一定回復)があるやつだ…。こういう鑑賞の仕方は自分の中に留めておくべきだったかもしれないが、私と同じくゲーム好きな夫と、この思いを共有したくてたまらなくなってしまった。周りに変な夫婦だと思われないように、ぼそっと「これは属性魔法がアップするアクセサリー…」と口にした。すると夫も私のノリに付き合ってくれて、RPGの装備品に例えると…みたいな話で盛り上がってしまった。

また、アイドルのメンバーカラーを想像しながら、展示品を見ていたりもしたが、これはアイドルを知らない夫には伝わらないので口に出すのはやめておいた。にわかハロヲタは自分の心の中に留めておく。

これは撮影OKなやつ。

宇都宮美術館に行った理由はもう一つあり、シュルレアリスムの画家、ルネマグリットの『大家族』を見るということ。これは美術の教科書にも載っていて「空の模様をした鳥の絵」と言えば、わかる人はわかるかもしれない。高校の頃、美術の授業でなんの予備知識もないまま「この絵のタイトルはなぜ『大家族』というのでしょうか。自分なりの解釈を述べなさい」という作文を書かされたことがある。「鳥は平和を表していて…」みたいなことを書いた記憶がある。実物を見てもさっぱりわからなかったが、ああこれが宇都宮美術館で見れるのか…と少し感動してしまった。

ジョルジュビゴーの描いた日本の絵も良かった。ビゴーは、風刺画の人…社会の教科書に出てくる魚釣りをしている絵を描いた人だ。明治15年にパリから日本にやってきて17年余りも日本で生活したというちょっと変わった芸術家だ。彼の目に映る当時の日本の風景が、なぜだかとても身近に感じられた。笑われちゃうかもしれないけれど、こういう風景、教科書に載っている絵や写真、ドラマで再現されたセットだけでなく本当にあったんだなあ…と。

コスチュームジュエリーや、コレクション展を楽しんだあとはミュージアムショップで買い物。クリスマスっぽいブローチを購入。これ、12月の槇原敬之さんのコンサートにつけていこう♩