41歳、黄桃記念日

某月某日。

出雲旅行記①ファミレスとヨーグレット

2024年10月13日(日)

息子の秋休み。夫は有給を取得し、犬をペットホテルに預け、家族で出雲旅行をする。本当なら2020年に行く予定だったが、コロナによる外出自粛などで行くことが叶わなかった。飛行機は10年ぶり、羽田空港を利用するのは新婚旅行以来である。天候にも恵まれ、最高の旅行日和となった。

旅行前から予約していたエアポートガーデン駐車場に車を停め、第3ターミナルからバスに乗り第1ターミナルに移動。空港内のロイヤルホストで昼食をとる。お腹がぺこぺこな私はハンバーグを注文し、そんなにお腹が減っていない夫はスパゲッティ、全然お腹が減っていない息子はパンケーキを注文。ガッツリしたものも、ちょっと小腹を満たせるものも選べるのがファミレスの良いところだ。

ロイヤルホストは20年ぶりかもしれない。とても美味しかった。

飛行機の出発時間まで空港内で時間を潰す。ショッピングよりも、展望デッキで飛行機を眺めた方が息子も楽しいだろう…と思ったが、息子は高いところが苦手でしんどいみたい。下りエスカレーターもダメで、エレベーターを使って広すぎる空港内を移動した(ちなみに私はエレベーターが、周りの人に気を使ってしまい、あまり好きじゃなかったりする)。これから先、展望デッキよりもはるかに高いところに登っていく飛行機に乗るのに大丈夫か?

スーツケースを預け、手荷物検査を終え、出発ロビーへ。まだ出発まで1時間ほど待ち時間がある。空港内のショップで買ったヨーグレットを一粒、息子に食べさせる。

「甘いものを舐めると、高いところでも心が落ち着くよ」

と。私が小学生の頃、遠足のバスでどうしても車酔いして吐いてしまうような子がいて、保健の先生がその子に「車酔いしなくなる薬だよ」と言い、ヨーグルト味の薬を舐めさせた。その薬は、その子にとてもよく効き、バスの中でも酔わずに楽しく過ごすことができたが、後になって先生に聞くと薬でもなんでもなく、ただのヨーグレットだった、ということがあった。三半規管の乱れもあるけれど、気の持ちようでもあるのだ。高所恐怖症もきっとそうだ。

17時15分、出雲縁結び空港行きの飛行機に搭乗。飛行機の中では文庫本を読んで過ごす。息子もとても落ち着いている。私は耳が痛い。耳抜きをして右は痛くなくなったが、やり方がまずかったのか、左の耳がどうしても痛む。

すっかり辺りが暗くなった頃、出雲縁結び空港に到着した。

荷物を受け取り、レンタカーの送迎バスに乗り込む。私は、まだ左の耳が痛い。

レンタカーは、カローラ。車好きな夫は足回りや、EVなどの解説をしながら、楽しそうに出雲の街を走る。知らない街ということもあるけれど、いつもより運転が穏やかだ。まだ耳が痛い。治らなかったらどうしようかと少し不安になる。

夕食はファミレス。私と息子はネギトロ丼を注文。夫はかしわうどん。食べたら耳が痛いのが治った気がする。

ホテルに到着。ダブルベッドが二つある部屋。そこしか部屋が取れなかったのだ。家族三人、誰かどこで寝るかで揉める。

「ソファで寝るよ」と息子。

「いやいや、そこは掛け布団がないからさ。風邪引くと大変だからベッドで寝ようよ」

息子も中一だし、親と一緒に寝るのは恥ずかしいのではないかと思う。しかし夫と私が仲良く同じ布団で寝ているところを思春期の息子に見られるのは恥ずかしいものがある。結局、夫と息子が同じベッドで寝て、私が一人で一つのダブルベッドを広々と使うことになった。息子は相変わらず寝相がひどく、夫は何度も蹴り飛ばされていたようで、夜中に何度も目を覚ましていたようだった。