40歳の寄り道

某月某日。

もう一度会いたい

夢を見た。


私は家の庭にいた。

我が家の屋根の下に、大きな蜂の巣があるのに気がつき、夫を呼びにいく。玄関に入ろうとすると、茶色いトイプードルがいた。このトイプードル、見覚えがある…。

「もんちゃん…?」

2021年に亡くなった、実家で飼っていた犬の名を呼ぶと、走り去っていってしまった。追いかけたが、とても素早い動きで捕まえられなかった。

夢から覚めたら、もんちゃんに会いたくなってたまらなくなった。

もんちゃんに出会う前は、犬を飼うことに対して、どちらかというとネガティブな感情だった。犬を飼うことで、やらなければいけないことが増える一方、出来なくなることも増えて大変なんじゃないだろうか、そもそもうちの親に犬を育てられるのだろうか、ファッション感覚で犬を飼うのではないだろうか。また祖父母の飼っていた犬は、とにかく可愛がられていたが、可愛がりすぎて、犬の食べてはいけないものを食べさせたり、やりたい放題を許してしまったりと、あまり良いしつけをしていなかったのを見てきたので、「トイプードルを飼う」と言い出した時は、心配だった。トイプードルという流行の犬種というのもなんだか嫌だった。

しかし、やってきたトイプードルは、めちゃくちゃ可愛かった。時々いたずらもするけれど、教えたことはすぐに覚え、人懐こくてとてもとても良い子で、家族の誰よりも私がメロメロになっていたかも。ふわふわで暖かくて、甘えん坊さんで、私が落ち込んでいるとすぐに膝の上にやってきてくれて…ああ、もう一度会いたいなあ。

もんちゃんは、2021年15歳で亡くなった。私が最後に会ったのは2018年だった。家族がインフルエンザになったり、コロナ禍になったりでなかなか実家に帰ることができなかったのが悔しい。我が家で飼っているダックスフントのちゃちゃ丸は、めちゃくちゃ可愛いけれど、もんちゃんとは見た目も性格も全く違うし、道ですれ違う茶色いトイプードルも、例えどんなに似ていても、もんちゃんとは違うから、時々ものすごく寂しくなってしまう。

今、私のそばにいてくれてる、ちゃちゃ丸との日々を大切に大切に過ごそう。