40歳の寄り道

某月某日。

湿布

午前2時半に目が覚めた。リビングの明かりがまだついていて、トイレついでに覗きにいくと、夫がダイニングテーブルの椅子に座り、スマートフォンYouTubeを見ていた。

「早く寝なよ」

「首が痛くて眠れなくてさ」

昨日の朝、夫は首を寝違えてしまったらしくちょっと動くたびに首を痛がっていた。それでも車を運転し、仕事に行き、いつものように過ごしていたが、実際は横になるのも、ソファに座るのもかなり厳しかったらしい。

「まあ、寝ないわけにはいかないよな」

と夫は言い、寝る支度を始めた。

夫が布団に横になったのは午前3時頃だったと思う。

「痛い!痛い!痛い!」

深夜未明に、寝室に響き渡る痛々しい夫の絶叫。それに驚いたのか、犬が目を覚ました音が聞こえた。普段、寝る時に首なんて意識したことがなかったが、無意識のうちに首を使っているんだなあ。

朝、やはり首が痛くて起きることができない夫。アイスノンで冷やし、ゆっくり起き上がらせる。この三連休、久しぶりに家族でどこか遠くに行こうかと話していたが、無理そうだ。

夫は整形外科へ行き、湿布をもらってきた。それを私が貼ってあげた。

「もう0.5ミリくらい下かな…。もうちょい背骨側かも…」

今まで、何度も満身創痍の夫の体に湿布を貼ってきたが、そんな細かい要求にも、割と応えられるようになったと思う。

昼ごはんの後、子どもはゲーム。私は夫と昼寝。湿布のおかげか、痛みは落ち着いているみたい。夫の背中を抱きしめると、湿布のスーッとした香りがして心地よかった。