40歳の寄り道

某月某日。

ありのままの姿見せるのよ

健康診断。

なんの対策もしていなくて憂鬱。

「ありのままの〜姿見せるのよ〜♩」

と夫が『レット・イット・ゴー』を歌う。

気がついたらわたしも

「ありのままの〜自分になるの〜♩」

と歌っていた。

「何も〜怖くない〜♩」

いや怖い。10代、20代の時は「あなたは健康診断の必要がないくらい健康ですね」と医者に言われるくらい楽勝だったけど、この歳になると医者にコレステロールとか、肝臓の値とかチクチクと言われるようになってもう苦笑いするしかない。とは言え、悪いところがあったら、早く見つけたいと思っているけれど。

健康診断当日。

朝ごはん抜きだが、食べることが当たり前になりすぎていて、無意識のうちに手が伸びてしまう。気がつくと冷蔵庫の中のヤクルトやサラミについ手を伸ばそうとしていたし、目玉焼きを息子の分と私の分、二つ作ろうとしていた。

「はっ、今日は健康診断だった」

と何度も我に返った。

子どもが学校へ行ったあとすぐ、バスに乗り病院へ。

初めて行く病院。受付が銀行みたいで、入る場所を間違えたかと思ったが、間違いなく病院だった。受付を済ませたあと検査着に着替え、指示された番号順に進む。検査結果や、ありのままの自分であることを気にしている暇などなく、せわしなく次の項目へと回される。目的地を探して広い病院をうろうろ。受付は銀行みたいだったけど、中はテーマパークみたいで面白い。検査が終わったあと、「いってらっしゃーい」なんて、笑顔で言ってくれる看護師さんもいたし。視力検査をしたり、聴力検査をしたり、心電図をしたり、あっという間に終わってしまった。

5年ぶりくらいにマンモグラフィーをやった。痛かったけど子宮頚がん検診に比べたら、まだ不快感が少ない。来年は胃カメラにも挑戦してみたい。ちょっと怖いけど、このテーマパークみたいなノリだったら、胃カメラも楽しめそうだ。

健康診断の帰り道、お腹が減りすぎて、餃子屋に行き、焼き餃子と水餃子のセットを頼んだ。ちょっと遅い朝ごはん。中のお肉がゴロゴロしていて、噛むと肉汁がじゅわっと出てきて、とてもおいしかった。