40歳の寄り道

某月某日。

6/7 槇原敬之のファンの方だろうかと思ったが違った

朝、息子のためにシュガートーストを作る。まな板に食パンを乗せ、ココナッツオイルを塗り、その上に砂糖をかける。トースターに入れて焼きはじめたあと、自分がかけたのが本当に砂糖だったのか不安になった。眠さのせいか、食パンを焼く数秒前の自分の行動に自信が持てない。

クッキー生地に間違えて塩を入れて焼いてしまったことがある。あのクッキーは毒だった。こんがりと美味しそうな見た目のくせに、食べられたものじゃない。蜂蜜をかけてみてもダメ。焼いている時のわくわくした気持ちはなんだったんろう。泣きながら自分の作ったクッキーを捨てた思い出が蘇ってきた。

まな板にこぼれた白いものを指につけて舐めてみた。よかった、しょっぱくない。オーブントースターの中からシュガートーストの甘い匂いが漂ってきた。

午後、小学校の引き渡し訓練。災害時に子供を確実に引き渡せるように…という訓練だ。子供たちはランドセルを背負いながら、会話をしながら和やかに座り、避難訓練というよりはお迎えをただ待っているだけみたい。

今日私が身につけているTシャツとトートバッグ、キーホルダーは、全て槇原敬之のコンサートで買ったもので、引き渡し訓練の格好ではないかもしれない。コンサートグッズって良いお値段するからガンガン使っていきたいんだ。コンサートに行く途中、災害が起きるかもしれないし…などと考えながら5年生保護者の列に並んだ。

引き渡し訓練のプリントを眺めていたら、後ろから「あの…」と、声をかけられた。槇原敬之のファンの方だろうかと思ったが違った。

「そのプリント、いつ貰ったんですか」

「2週間前に渡されましたよ」

「本当ですか、うちの子、こういうの全然渡してくれなくて。今日も引き渡し訓練があるとしか聞いていないんですよ」

「そうですか。うちの子もこの前の授業参観のプリント、授業参観が終わってから渡してきたんですよ」

そんな会話をしていたら「前の方から、お子様を受け取ってください」という合図があった。自分の順番が来て「○○の母です」と言い子どもを受け取った。

そういえば声をかけてくれた後ろの人は、誰のお母さんだったのだろう。名前を聞いておけばよかった。そんなちょっとの勇気のなさと、タイミングの悪さで、私は友達というものを作る機会を逃しているのかもしれない。

槇原敬之コンサートツアー2022〜宜候〜のコンサートグッズ。