【お題】不採用はラッキーだったのかもしれない

今週のお題「最近のラッキー」

 最近、応募したアルバイトは不採用だった。面接は、とてもうまくいった。絶対に採用されると思っていた。16年ぶりの外でのお仕事はここなのだろうと、働く気満々だった。バイト情報サイトを通じて、不採用の連絡がきたのは夕食を作っている最中だった。泣いた。ホルモンバランスのせいか、お腹が空いていたからなのか、悔しくて悔しくて仕方がなかった。

「面接うまくいったんだよ?」

 夫に何度も愚痴った。

「そりゃ相手は、いろんな人と面接しているからね。相手が合わせるのが上手なんだよ。それに君は、バイトに面接に来た人であるのと同時に、その店のお客さんでもあるからね。いい印象を与えなきゃいけないんだよ」

 慰めてほしかった。

 しかし、数日経って考える。不採用だったことは、むしろラッキーだったのかもしれない。応募先は体育会系の企業で、のんびりしている私には合わなかったかもしれない。どんな仕事も真剣に取り組む私だけど、何かの拍子に嫌になって逃げ出していた可能性もある。

 それに不採用だったことで、趣味の小説やエッセイに打ち込める時間もできた。物価は高いし、息子の塾の費用も高い。高いものばかりだ。スーパーに行くたびに小さく唸っている。本当は、少しでも余裕が欲しい。小説やエッセイを書きたいなんて言っていたら怒られそうだ。

 最近、私の住む街ではクマ騒動が起きている。もしバイトに採用されていたら、出勤途中にクマと鉢合わせしていたかもしれない。そう考えると、不採用は命拾いだったのではないか。

 たぶん、違う。でも、そういうことにしておく。

 全ての出来事にはきっとなにかしらの理由があるのだと思う。