40歳の寄り道

某月某日。

ナポリタンスパゲッティとか簡単なもの

美容院。髪を切ってもらいながらファッション雑誌を読むと、ポジティブな気持ちになり、なんでもできそうな気になれる。今抱えている問題も、すごく小さな問題に思えてきた。ウルフヘアにして、ハイライトを入れて明るくしてもらって、とても嬉しい。誰かに会いたい。

ああ、なんだかすごく書きたい気分だ。ネタもないくせに自分の日常を赤裸々に綴ってネット上に公開したい気分。美容院の帰路は、いつもそんな感じで自分が人気ブロガーとか人気エッセイストになった気分。

で、家に帰ってiPadを開くと、そんな気分もすっかり無くなって、イラストロジックを始めてしまう。いつもの自分だ。ただの専業主婦だ。

夕食に魚のフライを作ろうと思ったら、夫が

「そういう油っこいものは今は食べたくない。ナポリタンスパゲッティとか簡単なもので良い」

と言った。で、野菜やソーセージを刻んでナポリタンスパゲッティを作り始めたが、みじん切りにしたニンニクをオリーブオイルで炒めている最中、これ私が作らなくてもいいんじゃないか…「食べたいものがあるなら自分で作れ」と言って、夫に作らせれば良かったのでは…と思い始めて少しだけイラッとしてしまった。「ナポリタンスパゲッティとか簡単なもので良い」っていうのもなんかひっかかる。簡単なもので良い…の部分。確かに簡単だけど面倒くさい。そもそも私、ナポリタンよりも、たらこスパゲッティが食べたい気分だな。

そんなもやもやした気持ちも、家族全員で「いただきます」をして、食べはじめたらすっかり吹き飛んでしまった。夫も子どもも喜んでくれて嬉しい。なかなか美味しいナポリタンができたと思う。

まあ、滅多にわがままを言わない夫だし許してあげるか。